『訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73』

ハヤカワ文庫NF ランディ・カッシンガム【著】;鬼澤忍【訳】早川書房
http://www.stellaawards.com/
それは自分のせいだろっ!とつっこみたくなる米国のクレイジー民事訴訟を表彰します。ステラばあさんが自分の不注意でマクドナルドの熱いコーヒーを膝にこぼしてやけどし、その「不当に危険な」商品を販売したマクドナルドを訴えて大金をせしめて以来、アメリカでは弁護士たちの入れ知恵によって馬鹿げた民事訴訟の件数が激増し、訴訟によって一攫千金を狙う風潮ができあがってしまった。とにかく、自分の気に入らないことの関係者はみな訴えてしまえ、というわけだ。著者はこれら訴訟の原点であるステラにちなんで「ステラ賞」を設立、その候補をウェブ上で募ったが、集まった中には「都市伝説」にすぎないものも多く、その中で実際に裁判記録があるものを選んで表彰したのが「本当のステラ賞(The True Stella Awards)」。本書はその候補から厳選して、苦笑を禁じえない民事訴訟を紹介する。鳥につつかれた人が国を訴える、橋から飛び降りて死んだ少女の母が橋を訴える、宝くじに当たった人が宝くじ売り場を訴える、犯罪多発地域の一住民が電話会社を訴える、などなど、突拍子もない理由で突拍子もない相手を訴えた裁判の数々を収録。しかし、これら民事訴訟の濫用は、社会にとってとんでもない悪影響を与えているのも事実。著者はその問題点を掲げ、どうすべきかまで提案する。全世界に100万人以上の読者を持つ人気eメールマガジンを書籍化。アメリカ社会の暗部を笑い飛ばす書。
ことの始まり―ステラ賞の誕生;変革の代理人―課題を推進するために裁判を乱用する;医療訴訟―まちがった薬;私のせいじゃない、誰かに責任をとらせよう;ささいなもめ事―こんなことに陪審員が必要?;それが私の権利だ!―憲法の果てしない拡大解釈;それは間違いなく犯罪だ―受刑者や犯罪者による訴訟;集団訴訟という宝くじ―こちらにお並びください;学校狂想曲―子供たちは何を学んでいるか;そんな馬鹿な―私が裁判で勝てないなんて!;SLAPPほか、企業による弱い者いじめ;陪審員はあなた―裁判に挑戦してみよう;「控訴する!」―弁護士の読者からの反応;結論―どうなるかはあなた次第

訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73
ランディ・カッシンガム 鬼沢 忍
早川書房 (2006/07)