『永遠の一日』

海外文学セレクション ビアード,リチャード【著】;青木悦子【訳】東京創元社
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一九九三年十一月一日。EUが誕生し、フェデリコ・フェリーニが世を去り、リバー・フェニックスが急逝したその日、イギリスのどこかで、ヘイゼル・バーンズとスペンサー・ケリーが生まれた。その日、二十四歳のスペンサーは、ヘイゼルと一緒にベッドにいた。その日、十歳のヘイゼルは海辺に、十歳のスペンサーはサッカー・コートにいた。その日、十二歳のヘイゼルとスペンサーは、砂丘で手を取りあって、飛んでいく飛行機を見ていた。その日、十四歳のヘイゼルは、スペンサーに電話をかけようとした。その日、十六歳のスペンサーはヘイゼルからの電話を受けた。その日、十八歳のヘイゼルと、スペンサーは…その日、二十一歳の…その日…同じ一日、違う時間軸の中で、繰り返し巡り会う恋人たち。おかしくて、どこかひねくれていて、やさしくて、不思議な恋の物語。