『中国の大盗賊・完全版』

講談社現代新書 高島俊男【著】講談社
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昔、中国に「盗賊」というものがいた。いつでもいたし、どこにでもいた。日本のどろぼうとはちょっとちがう。中国の「盗賊」はかならず集団である。これが力をたのんで村や町を襲い、食料や金や女を奪う。へんぴな田舎のほうでコソコソやっているようなのは、めんどうだから当局もほうっておく。ところがそのうちに大きくなって、都市を一つ占拠して居坐ったりすると、なかなか手がつけられなくなる。さらに大きくなって、一地方、日本のいくつかの県をあわせたくらいの地域を支配したなんてのは史上いくらでも例がある。しまいには国都を狙い、天下を狙う。実際に天下を取ってしまったというのも、また例にとぼしくないのである。幻の原稿150枚を完全復元。共産党の中国とは盗賊王朝である。劉邦から毛沢東まで伝説の完全版がよみがえる。
序章 「盗賊」とはどういうものか;第1章 元祖盗賊皇帝―陳勝劉邦;第2章 玉座に登った乞食坊主―朱元璋;第3章 人気は抜群われらの闖王―李自成;第4章 十字架かついだ落第書生―洪秀全;第5章 これぞキワメツケ最後の盗賊皇帝―毛沢東