『ヨーロッパの出版文化史』

戸叶勝也【著】朗文堂
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15世紀に書写本の華麗さはまさにその最高潮期を迎えていた。すぐれた工匠魂と求道者のこころをもった発明者グーテンベルクは絶え間のない創造的不安のただ中にあった。発明者にとっての印刷術とは書写の安価な代用品などではなく、印刷術と活字書体はそれ自体として完成されるべきものであった。書籍の出版・販売業者とは、著作者から読者への単なる仲介者ではない。出版文化史を個別科学の枠組みから解き放ち、社会史・精神文化史から照射した。
第1章 グーテンベルク以前の書物の世界;第2章 活字版印刷術の発明―一五世紀半ば;第3章 活字版印刷術の伝播―一五世紀後半;第4章 一五世紀末から一六世紀前半の出版業;第5章 一六―一七世紀の出版業;第6章 一八世紀の出版業