『自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝』

デンディ,レスリー【著】モーダン,C.B.【イラスト】〈Mordan,C.B.〉;梶山あゆみ【訳】紀伊國屋書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4314010215/zabon-22/
「初めてやった人はえらい」
勇気かはたまた…時には死を賭す危険も顧みず、自分の体で試すことを決意した科学者や医学者たちの涙ぐましい物語。高温部屋でどれだけ耐えられるかの実験、袋や骨や筒を丸呑みする消化実験、笑うガスを吸う麻酔実験、炭鉱や海中で長時間過ごす実験、心臓にカテーテルを入れた男の話、洞窟でひとり数ヶ月過ごした女性の話、など。
坂口安吾は「ラムネ氏のこと」という小文で、ふぐ料理の殉教者やきのこ採りの名人のことを讃えている。毒かどうか試した人がいたのだ。本書は、科学と医学の分野で、動物実験などをやった後で、最後に自分を「実験台」とした、過去2、3世紀の世界各地での事例の中から興味深いものを集め、原論文や様々な資料にあたりつつ再現を試みる。多くの人命を救った実験もあれば、ノーベル賞級の実験もある。自らの命をこの実験に捧げることになった実験もある。なぜそうした実験をすることになったか、実験者の心と行動に光を当てることで、大変ユニークな読み物となっている。巻末には、日本の研究も含む、「自分の体を使う実験」の詳細な年表が付されている。
第1章 あぶり焼きになった英国紳士たち;第2章 袋も骨も筒も飲みこんだ男;第3章 笑うガスの悲しい物語;第4章 死に至る病に名を残した男;第5章 世界中で蚊を退治させた男たち;第6章 青い死の光が輝いた夜;第7章 危険な空気を吸いつづけた親子;第8章 心臓のなかに入りこんだ男;第9章 地上最速の男;第10章 ひとりきりで洞窟にこもった女

自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
レスリー・デンディ メル・ボーリング 梶山 あゆみ
紀伊國屋書店
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