『楽園への疾走』

海外文学セレクション バラード,J.G.【著】;増田まもる【訳】東京創元社
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アホウドリを救え…!いますぐ核実験をやめろ…!」十六歳の少年ニールは、どういうわけかタヒチ沖に浮かぶサン・エスプリ島でのデモに参加していた。運動の中心となるドクター・バーバラ、四十代の精力的な女医に無性に惹きつけられてしまったせいだ。初めはごく普通の環境保護運動だった。だが、島に居座る彼らに世界中の注目が集まったときから、なにかが少しずつ狂いはじめた。現代の予言者バラードが贈る問題作。
バラード,J.G.:1930年上海生まれ。46年に英国に移住。56年にSF専門誌で短編デビュー、62年に処女長編『狂風世界』を発表。それまでアイデア重視だったSFの世界に、文芸的洗練、思弁性や実験的構成を導入し、その後のSF小説に大きな影響を与えた。こうした潮流は「ニューウェーヴ」と呼ばれる。代表作は英国SF協会賞を受賞した『夢幻会社』(東京創元社)など