『ブルマーの社会史―女子体育へのまなざし』

青弓社 青弓社ライブラリー 高橋一郎;萩原美代子;谷口雅子;掛水通子;角田聡美【著】
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男性教員や男子生徒の視線が存在する公的な空間で、女子生徒の脚部の付け根まで露出を強制していたブルマー。女性解放運動に出自をもつブルマーがたどった、明治期の輸入から戦後までの社会的・歴史的な変遷を読み解き、社会学歴史学の視角から「脱女性化というジレンマ」「女子身体イメージの変容」「性の解放と抑圧のパラドックス」という女性の身体性をめぐる葛藤と闘争の物語を紡ぎ出す。そして、欲望のまなざしにさらされた結果、性的身体化=商品化することで消滅した過程を丹念に明らかにして、ジェンダー規範や行動様式にまで影響を与えたブルマーを通して、セクシュアリティの歴史的変容に迫る。
第1章 ブルマー登場以前―衣服と脚の関係から(着物と活動性;女性の二本脚からみた日本服装史 ほか);第2章 ブルマーと近代化―解放と抑圧のはざまで(ブルマーにまつわる解放と抑圧のパラドックス;欧米でのブルーマー・コスチュームの登場に対する反応について ほか);第3章 女性の身体イメージの近代化―大正期のブルマー普及(女学生文化と体育;明治後期「女学世界」の体育言説 ほか);第4章 ブルマーの戦後史―ちょうちんブルマーからぴったりブルマーへ(戦後の学校教育とブルマーブルマーの変遷 ほか);第5章 スケープゴートとしてのブルマー(服装としてのブルマー;体育・女性・ブルマー ほか)