『ファンタジーのつくり方―エンターテインメントを創造するためのマニュアル』

オフサイド・ブックス 中村一朗【著】彩流社
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PART1では、日本のロボットアニメの歴史を切り口にして、機械と心の問題をテーマにした作品について探る。人工知能やアンドロイドの登場するSF映画についても同様に。加えて、一九五〇年代の幻想SF小説が映像文化に及ぼした影響が、やがていくつかの新しい流れを構築していったプロセスについても検証。PART2では、西洋の神秘思想(オカルティズム)から生まれたSF小説や近代ファンタジーの流れについて解説。PART3は、1と2を踏まえて日本の“闇”についての考察。メガヒットアニメ映画『千と千尋の神隠し』を中核に、ファンタジーの描き出す空想の波紋の広がりを追いかけた。神話や民話とファンタジーが交差する空間のあり方を追究する。
1 ロボット・人工知能の遺伝子(ロボットアニメを決定した三つの“原型遺伝子”講座―『鉄腕アトム』『鉄人28号』『エイトマン』;人工知能の遺伝子「進化論」講座―コンピュータ・イメージの変容とともに;サイバーパンク解析講座―八〇年代型カルチャーの行方);2 神秘思想(オカルティズム)の遺伝子(「近代ファンタジー解析」講座―不思議物語系と恐怖物語系;「古典的神秘物語(オールド・オカルト・フィクション)進化論」講座―映像と小説の狭間で);3 日本の“暖かい闇”の奥へ(『千と千尋の神隠し』解析による“応用”講座―神々と妖怪の世界のつくり方;神話と民話の遺伝子“活用”講座―『遠野物語』から現代日本の妖怪ファンタジーまで)
中村一朗:1957(昭和32)年11月6日生まれ。東京都中野区出身・在住。私立城北高校卒業。私立武蔵工業大学・工学部建築学科卒業。88年に一級建築士の資格取得後、仲村建設(株)一級建築士事務所・所長に就任。建築の設計施工業、フリーライター、およびTVゲームの企画・シナリオライター業など、複数の草鞋を履いたまま現在に至る。94年より、非常勤講師として東京テクニカルカレッジ・ゲームソフト科で企画・シナリオの講座を担当
 目次を読む限り、ファンタジーっつーよりは、アニメ・ハリウッド系SFなんだが。