『海外短編のテクニック』

集英社新書 阿刀田高【著】集英社
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長編小説が、人生という一本の木を、根から幹、枝から梢、花も葉もすべて描く営みであるならば、短編小説は、一本の枝を切り、切り口を示して生き方全体をうかがわせる試み。あらゆる技を駆使した作品はおもしろさも多彩だ。日本の短編の名手が、海外短編から厳選して、メリメの名作『カルメン』から現在活躍中のインド系女性作家ラヒリの『停電の夜に』まで、バラエティに富んだ作品を俎上に載せ、実作者の立場になって想像し、分析し、ときには妄想までして(!?)そのテクニックをたどる。カフカの作品は長編もあるけれど短編『変身』ひとつを読めばOK、という大胆発言も。
第1章 技のデパート、短編小説;第2章 モーパッサン『勲章』『首かざり』『宝石』そして、その他の短編;第3章 モーム『夢』『蟻とキリギリス』そして、その他の短編;第4章 チェーホフ『イオーヌイチ』『犬を連れた奥さん』そして、その他の短編;第5章 O.ヘンリー『二十年後』『賢者の贈りもの』そして、その他の短編;第6章 スレッサー『ペンフレンド』『競馬狂夫人』そして、その他の短編;第7章 メリメ『カルメン』『マテオ・ファルコネ』そして、その他の短編;第8章 カフカ『変身』そして、その他の短編;第9章 ヘミングウェイ『雨のなかの猫』『殺し屋』そして、その他の短編;第10章 ラヒリ『停電の夜に』『病気の通訳』そして、その他の短編