『本の愉しみ、書棚の悩み』

アン・ファディマン【著】〈Fadiman,Anne〉;相原真理子【訳】草思社
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本が好きな人にとって、本はたんなるモノではない。頁の端がそっと折ってあったり、忘れられた書き込みを見つけた時のほろ苦さ。父の蔵書で積み木遊びをした記憶のなつかしさ。どの本にも言いしれぬ愛着があるものだ。色褪せた背表紙や、シェイクスピアの隣にジェームズ・ボンドが並ぶ書棚は、過去の時の流れを映し出す。自分だけのお気に入りの本たちが並んでいるだけで、ちょっとうれしい。それを収納する場所があれば、もっといいのだけれど。無類の本好きを自認する著者が、本好きゆえの悩みと愉しさをつづる珠玉のエッセイ集。
蔵書の結婚;趣味の棚;本を大事に;婦人の道;遊び紙に記されたことば;現場で読む;永遠のインク;本を食べる;日の下に新しいものはない;カタログ的命令形;本の白;興奮をともに;首相の本の帝国;古本