『夢見る猫は、宇宙に眠る』

八杉将司【著】徳間書店
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「俺、クローンだよ」「キョウイチも?」「も?」「うん。わたしもクローン」…。医療ナノマシン機器メーカーに勤務するキョウイチは、仕事のために訪れたカウンセリング施設で、研修生のユンとその恋人マークに出会った。キョウイチは、天衣無縫なユンに次第に惹かれていく自分に気づく。そしてこの懊悩は、お互い共に、“オリジナル”ではないことを知り頂点を迎える。やがてユンは、臨床心理エンジニアとして赴任するマークと一緒に、火星へと旅だった。その半年後、火星は突如として緑の星に変貌し、独立運動を背景とする反乱が勃発する。キョウイチは連絡の途絶えたユンたちを探すため、軍に同行し、火星へと赴く。そこは、思念が現実化する、異様な世界であった…。第5回日本SF新人賞受賞作
八杉将司:1972年生まれ。九州国際大学法経学部卒業。出版社勤務を経て、アルバイトの傍ら小説執筆を続ける。2003年、『夢見る猫は、宇宙に眠る』で第5回日本SF新人賞を受賞し、デビューとなる。兵庫県姫路市在住