『猫はなぜ絞首台に登ったか』

光文社新書 東ゆみこ【著】
bk1/amazon.co.jp】光文社
次第に都市化しつつあった十八世紀なかばのヨーロッパでは、動物への残虐行為がいたるところで見られていた。なかでも、パリの印刷工場で起きた事件は異様だった。そこに勤める職人たちが、猫を一匹残らず集めてきて、皆殺しにするという事件が起こったのだ。しかも猫に対して裁判を行い、厳正なる裁判の結果、有罪判決が下されると猫たちを即席の絞首台に吊す。事件の最大の異様さは、猫を絞首台に吊すと、そこで大爆笑が起きたことである。これらは何を意味しているのか。ホガースの版画とパリの事件から、秘められた謎の答えを探し出す。
第1章 十八世紀、猥雑のロンドン;第2章 コンタは見た―印刷工たちのパリ;第3章 都市の詩学;第4章 この世は笑う;第5章 絞首刑のアーケオロジー;第6章 穀物霊と神話の力