『魔女は夜ささやく〈上〉〈下〉』

マキャモン,ロバート・R.【著】二宮磬【訳】文芸春秋
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17世紀末、アメリカ南部。町を襲う魔女を捕らえたとの報に、魔女裁判を行なうべくやってきた判事ウッドワードとその書記マシュー。悪魔の呪いのためか、彼らが目にした町は荒れ果てていた。司祭と夫を鉤爪で惨殺し、牢獄に囚われた“魔女”は混血の美女レイチェル。夜闇に跳梁する魔物どもと戯れる姿も町民に目撃されているという。裁判の日が刻々と近づく。だが若きマシューは疑念を捨てきれない。獄中の美女は本当に魔女なのか?かの名作『少年時代』で感動を呼んだ巨匠マキャモン、十年の沈黙を破る復活作。
“魔女”レイチェルの処刑まであと数日。彼女の無実を信じ、愛しはじめた青年マシューをよそに、町のひとびとの魔女への憎悪が高まりはじめ、病状を悪化させた判事は瀕死の床に伏せる。状況はまさに四面楚歌―マシューは不屈の調査を続行する。すべての背後にいるのは誰か。その目的は何か。そして悪魔は実在するのか。手がかりはなく、武器もなければ仲間もいない。それでもマシューは、正義と真実を信じて、戦いをあきらめはしない。そう、真の「悪」を暴き出すまでは―。