『マリア・カラス』

ユルゲン・ケスティング【著】;鳴海史生【訳】叢書・20世紀の芸術と文学 アルファベータ
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本書は、没後二〇年あまり(執筆時)を経たマリア・カラスの実像を可能な限り鮮明に描き出すとともに、この不世出のオペラ歌手の、永遠の現在性を明らかにするものである。伝聞・憶測に頼らず、あくまで実証的にその生涯を追跡し、すべてのレコードを丹念に聴いた上で、その芸術を論じる。
マリアとメガイラ、または象徴的人物としてのカラス;唯一無二の存在;表現のパラドックス、あるいは美しい声と醜悪な声;マリア・カラスと一九五〇年代のオペラ界;修業時代;遍歴時代;スカラ座の女王;名声への没落;故郷をもたないプリマドンナ;カラスとその後の歌い手たち;歌いおさめ;プリマドンナ、芸術家、女性;想像力のための歌唱