『わたしと子犬の時間―フランソワのアレルギー闘病記』

ふなこしゆり【文・写真】講談社
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わずか生後2か月のフレンチブルドッグの子犬は、ぬいぐるみのライオンをぽーんと口で放り投げるとダッシュして食らいつき、ハンティングの一部始終をやってのけた。開いて立った大きな耳、丸い瞳、むぎゅっとつぶれた丸い鼻…、神様がこの子につけた小さなしっぽは、くるっと巻き、潔く、可憐だった。偶然の出会いから、共に暮らしはじめる“わたし”と子犬のフランソワ。やがて、フランソワはアレルギー性皮膚炎を発症する。フランソワの回復までの日々をエッセイと写真でつづる闘病記―。おいしく治す手作りごはんの簡単レシピも巻末に。
ある春の日のこと;わたしのフランソワ;新しい日々;はじめての動物病院;夢みた世界;つぎなる動物病院;ポエム&フォト;友だちができたよ;アレルギー性皮膚炎の発症;原因不明…?;3番目の動物病院;はじめての手作りごはん;時間にのって;ふたりの絆;思い出の日々;フォトアルバム;レシピ集

『SF Japan〈2005 SPRING〉』

徳間書店
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表日本SF大賞&日本SF新人賞第25回日本SF大賞決定!!―大賞『イノセンス押井守監督・特別賞・故矢野徹氏;第6回日本SF新人賞決定!!『ゴーディーサンディー』照下土竜;特集“憑依都市The Haunted”プロジェクト第2弾!!;豪華連載

『死ぬ確率』

長寿健康研究会【著】エクスナレッジ
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本書は、死を招く危険性のあるものについて、それがどの程度危険なのか、その度合いを確率という数値で示すことにより、なんとなくという曖昧さを排除し、より身近に感じてもらおうと試みている。さらに、あらゆる危険性を集めたため全9章の構成となっている。
1章 食べる;2章 嗜好品(アルコール、タバコ、お茶);3章 病;4章 ウイルス・菌;5章 身近にある危険;6章 医療・クスリ;7章 男・女;8章 県民性;9章 その他の危険
菜食主義者は人生の8割地点で死ぬ、女性が海草を食べなくなれば2015年乳がんで1日132人死ぬ、緑茶を1日3杯までしか飲まない人は10杯飲む人より9歳若くしてがんで死ぬ、隣人のタバコの煙で20人に1人は死ぬ……とか羅列されている目次は圧巻で、なぜか爆笑してしまいました(仕事中)。

『チリの闇―行方不明者を持った家族の証言』

中王子聖【著】彩流社
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ピノチェトによるクーデター(1973年9月11日)は17年もの長きに亘る軍政を敷いた。拉致・行方不明者、処刑者、拷問の被害者など、多くの犠牲を人民に強いた。また、いまなお多くの人びとが精神的な治療の必要ありとされている。軍政は1990年に終わった。だが、その後も軍は力を有し、軍政時代における人権侵害者への罪の追及は遅々として進まない。軍政が終わっても、人権侵害の問題は終わってはいないのだ。著者は1997年から「失踪者」に関する研究調査を開始し、2000年9月から約半年、首都サンティアゴとパラルで失踪者を持つ家族に取材。そこから、行方不明者の家族における「こころ」の問題を探り、まさに「いま」の問題として提起する。
第1部 チリ小史(独立以前(〜一八一八年);独立以後から世界恐慌まで(一八一八〜一九三二年);保守派と軍人のライバル意識;自由のなかの革命(一九六四〜一九七〇年);アジェンデ政権の誕生―チリ、社会主義への道(一九七〇年) ほか);第2部 証言集(オリビア・サソ・ガンボア;イネリア・エルモシージャ;アナ・サエス;ドリス・メニコーニ・ロルカ;フリア・ガルターノ・エスコバール ほか)
今読んでいるイザベル・アジェンデ『精霊たちの家』が、もろクーデターの真っ只中なんだけど、そうか、ピノチェトのクーデターなのか……って、名前しか知らないよ!! でも、小説を読む限りでは、こりゃ行方不明者続出にもなるわ、という感じ。ハイメ……(´TωT`)。

『精霊たちの家』 新装版

イサベル・アジェンデ著;木村栄一国書刊行会 1994.4.20 426p 19cm(B6) \2,000(本体\1,942)
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LA CASA DE LOS ESPIRITUS〈Isabel Allende〉
前世紀末からチリ・クーデターまでの一世紀を舞台に、奇想天外なエピソードと奇態な人物がとめどもなくつむぎ出される、幻想と恐怖と笑いに充ちみちた年代記。奔放な想像力と見事な語り口によって、現実と非現実のはざまに百年の歴史を描き出した本書は、非業の死をとげたアジェンデ大統領の姪のデビュー作として、そしてまた、『百年の孤独』にも比すべき魔術的リアリズムの傑作として、大きなセンセーションをまきおこした超話題作である。緑色の髪をなびかせる美少女ローサの妹クラーラは、毒殺された姉の屍体が無残な解剖をうけるのを目撃したのち、いっさい人と口をきかずに現実を遮断した世界に閉じこもった。クラーラは、念力で塩壷を動かし、椅子に坐ったまま空中に浮かび、霊界と交信できる不可思議な能力の持ち主だった。9年の沈黙の後、19才になった彼女は突如ローサのかつてのいいなずけエステーバン・トゥルエバと婚約し、精霊たちが見守る迷路のごとき宏壮な館で結婚生活をはじめるが…。

『チリ交列伝―古新聞・古雑誌、そして古本』

ちくま文庫 伊藤昭久【著】筑摩書房
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毎度おなじみチリ紙交換でございます。古新聞・古雑誌などございましたら、お気軽にーと、街中を流していた声は、いつのまに消えてしまった。かつて、再生紙原料業が元気だったころ、そこには風変わりな人々が集まり、また重要な古本の供給源でもあった。著者自身も古紙業から古本屋へ転じた変わり種のひとり。物流の末端でうごめく人物像と出来事を活き活きと描き出す。
チリ交列伝;古本屋風雲録