『少女マンガジェンダー表象論―“男装の少女”の造形とアイデンティティ』

押山美知子【著】彩流社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4779112443/zabon-22/
本論では、“男装の少女”というヒロイン像を切り口に、日本の少女マンガにおけるジェンダー表象がどのような形で構築され、どのような形に変容していったのかを探ることを主要な目的としている。“男装の少女”というヒロインの容姿造形を構成する絵画表現、すなわちジエンダー・コードとなる表象記号に着目し、どのような表象記号の組み合わせによってヒロイン像が描き出されていったのかに重点を置いた論考を試みている。
第1章 “男装の少女”キャラクターの出発点―手塚治虫リボンの騎士』(“男装の少女”の誕生;サファイヤの造形 ほか);第2章 「傍流」としての“男装の少女”―水野英子『銀の花びら』(“男装の少女”ものの停滞期―黎明期少女マンガと戦後少女小説;「悪書追放運動」と「自主規制」 ほか);第3章 “男装の少女”の成長―池田理代子ベルサイユのばら』(週刊誌時代と新人マンガ家たち―萩尾望都『雪の子』;『ベルサイユのばら』と“男装の少女”オスカル ほか);第4章 “男装の少女”の反復と再構築―オスカル以降の“男装の少女”(森川久美『ヴァレンチーノ・シリーズ』;曽祢まさこ『不思議の国の千一夜』といがらしゆみこ栗本薫『パロスの剣』 ほか)
押山美知子:1998年東京女子大学文理学部日本文学科卒業。2001年専修大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了。2006年専修大学大学院文学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程修了。現在、専修大学人文科学研究所特別研究員として、日本の少女マンガ及び現代文学に関する研究活動を継続