『闘争の最小回路―南米の政治空間に学ぶ変革のレッスン』

廣瀬純【著】(京都)人文書院
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4409240765/zabon-22/
ブラジル、ベネスエラ、ボリビアなど近年、各国で左派政権が誕生し、新自由主義により壊滅した後の国家・経済再生とともに、オルターナティヴな世界の構築を目指すラテンアメリカ。世界から注目されるこの地域においては、しかしいまこの瞬間にも、左派政権とも距離を置く、多様で起伏に満ちた社会運動が行われ、日本では想像もつかないほど豊穣な政治空間が開かれている。いまだ知られざる、その政治空間と社会運動のダイナミズムを魅力的に伝え、ひとりひとりの内にある「政治」を可能にするパワー、行為と力のクリスタル=闘争の最小回路に呼びかけること、これが本書の唯一の目的である。
1 闘争の最小回路(新たなジャーナリズムにむけて;米州サミットと民衆サミット、そして、そこから溢れ出すもの;「潜勢力への道」の政治的代表制―メキシコ、スペイン、そしてボリビア;チリ―修正主義的ネオリベラリズムとふたつのラディカルな社会運動;マイケル・ハート・インタヴュー「自律性は反帝国主義よりも強力な武器だ。」;「マグナ・カルタ」と「ニュー・ディール」―ネグリとコッコによる現代ラテンアメリカ論);2(現実主義的革命家とマルチチュードネグリのヨーロッパ論;共同体メディア運動と「ボリーバル革命」―「Telesur」開局に際して;彼らは「何人かの野蛮なインディアンに過ぎない」のか?―ボリビアにおける「新たな社会運動」について)
廣瀬純:1971年、東京生れ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程(芸術学)修了。パリ第三大学映画視聴覚研究科DEA課程修了(フランス政府給費留学生)。龍谷大学経営学部専任講師。映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」(勁草書房)元編集委員。仏・映画研究誌「VERTIGO」(Capricci ´Editions)編集委員