『恐怖に凍てつく叫び―トラウマが子どもに与える影響』

テア,レノア【著】;西澤哲【訳】金剛出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4772409300/zabon-22/
1976年7月、カリフォルニア州農村部の町チョウチラで、26人の子どもたちがスクールバスごと誘拐されるという前代未聞の事件が起こった。事件発生から2日後、子どもたちは生き埋めになっていた穴から自力で脱出し、事件は無事解決を見た、と誰しもが思った…。しかし、レノア・テアはこうした体験が子どもの心に何らかの「傷」を残しはしないかという懸念を抱いてチョウチラへと向い、その後数年にわたって誘拐事件に巻き込まれた子どもたちの人生を追うことになる。本書は、この「チョウチラ・スクールバス誘拐事件」の調査研究を縦糸に、猛犬に襲われ首を喰いちぎられる被害にあった子ども、ヒルガード保育園における集団性的虐待事件に巻き込まれた子どもなど、トラウマ性の体験をした人々の夥しい「物語」を横糸にして編み込まれた、複雑で精緻なタペストリーである。さらに、膨大な量の文学や映画、芸術作品を貫くトラウマ性のテーマを探索することにより、他の専門書群を圧倒する質を備えた比類なき1冊となっている。
子どものトラウマの世界の扉を開く;第1部 子どもの精神的トラウマにともなう情緒(戦慄;憤怒 ほか);第2部 子どもの頃の精神的トラウマの作用(誤認;時間は歪む ほか);第3部 子どもの頃の精神的トラウマと行動(ポストトラウマティック・プレイ;ポストトラウマ性の再現);第4部 子どもの頃の精神的トラウマの治療と伝染(治療;トラウマ性の出来事との「接近遭遇」)
テア,レノア:医学博士。臨床精神科医。サンフランシスコのカリフォルニア大学において、精神医学の臨床教授も務める。もっとも早期から子どものトラウマに着目した臨床家の一人であり、子どもの頃のトラウマに関する研究でBlanche Ittleson賞を受賞
西澤哲:サンフランシスコ州立大学教育学部カウンセリング学科修了。大阪大学大学院人間科学研究科助教

恐怖に凍てつく叫び―トラウマが子どもに与える影響
レノア・テア 西沢 哲
金剛出版 (2006/09/06)