『死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録』

アレクシエーヴィチ,スヴェトラーナ【著】;松本妙子【訳】群像社
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ひとりひとりの人生を飲み込んできたソ連という国家の崩壊のあとに、寄る辺なき社会へ放り出された人たち。自らの死を選ばざるをえなかった無名の人たちの肖像だけをじっと見つめ、社会主義国家という歴史から消えた巨大な亡霊といま一度向き合うインタビュー集。
ゲートル、赤い星、夢みていたのは地上の楽園;紺色の夢のなかへ消えていった少年;スターリンキューバ革命も、ずっと愛してきました;人生はベルイマンというよりフェリーニなんです;最後の世代の共産主義者と赤い理想の魅力について;彼は鳥みたいにとんでいった;残ったのは、二間の長屋、ひと畝の畑と小さな勲章;いいことなんか、なにもなかった;スターリン少女は五〇歳になって精神病院で共産主義と決別しました;せめて母親にだけでも愛されたかった娘;アエロフロートの窓口で航空券を買って行った戦場;他人を撃つよりも自分を撃つほうが楽だと若者はいう;死ぬ前にドラマのつづきが気になった;父はしあわせていることができなかった;ひとりでみんなのために祈りました;羽ばたき一回とシャベルひとふりのあいだ