『死体はみんな生きている』

ローチ,メアリー【著】〈Roach,Mary〉;殿村直子【訳】日本放送出版協会
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死体はスーパーヒーローだ。火を恐れず、高いビルからの落下もいとわず、頭を取り外されても文句を言わない。同時に何か所にいることもできる。ただ灰になったり、土の中でじっと横たわったりする以外に、死体だからこそ成し遂げられるすばらしい業績があるのだ。自動車事故の実験台になる、美術展示品になる、植物に取り込まれる、などなど。死体が私たちのためにしてきた貢献と、将来私たちが死体となってできることについて、きわめて率直に述べた画期的な書。
頭は無駄にできないすごいもの―死体で手術の練習;解剖の罪―人体解剖の始まり以来の死体泥棒などのあさましい物語;死後の生―人間の腐敗と防腐処理;死人が運転する―人体衝撃試験ダミーと恐ろしいが不可欠な耐衝撃性の研究;ブラックボックスを超えて―搭乗者の遺体が衝突のシナリオを語るとき;軍隊に入った死体―弾丸と爆弾の難しい倫理;聖なる死体―はりつけ実験;死んだかどうか見分ける方法―心臓が動いている死体、生き埋め、魂の科学的探究;頭だけ―断頭、蘇生、人間の頭部移植;私を食べなさい―薬としての食人風習と人肉団子事件;火ではなく、コンポストへ―新しい死後の生;著者の遺体―どうなることやら