『紙芝居昭和史』

zabon2004-08-25

岩波現代文庫 加太こうじ【著】岩波書店
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拍子木が鳴り、町のあちこちから子どもたちが集まってくる。飴を買って、さあ紙芝居の始まり始まり。―戦争を挟む貧しい時代、紙芝居をなりわいとする大人がいて、娯楽を求める子どもがいた。紙芝居作者として二八年、『黄金バット』等を描き、作家たちの中心にいた著者が、その盛衰を愛惜の情を込め記したドキュメント。
紙芝居との出合い;世界経済恐慌;黄金バット;レコードとラジオ;昭和七年;庶民芸術と怨念;紙芝居の確立;大日本画劇株式会社;紙芝居の青春;軍国紙芝居と赤マント;画劇会社争議;画劇会社炎上;焼跡の雑草;GHQと紙芝居;第二建設期;関東と関西;税金騒動;相馬泰三と子どもを守る会;画家群往来;紙芝居の死
加太こうじ:1918‐98年。浅草・神吉町生まれ。高等小学校在学中の一四歳ころより紙芝居の絵を描き、松永武雄から引継いだ『黄金バット』など多数の作品を手がける。1960年、文筆業に転身。大衆芸術に関する多数の著作を著し、のち「思想の科学社」社長も務める