『神戸釣り倶楽部』
木村栄一著 平凡社 1999.8.25 251p 19cm(B6) \1,400(税別)
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これほど知恵を絞り、情報を仕入れ、考えて釣りをしても釣れないのは、スズキがカントの言う「物自体」であり、認識を超えた存在だからにちがいない…。抱腹絶倒の釣り談義と、テツガク的思索。
渓よさらば;釣り人は哲学者?;一枚のグレ;波止から沖へ;スズキ釣り;神戸釣り倶楽部誕生;仁義なき戦い;たかがメバル、されどメバル;はぐれメバル;淡路・岩屋沖の海戦;ほな、さいなら!;タイ、イシダイの舞い踊り
木村教授は神戸市外国語大学でスペイン語の教鞭を執り、かつラテンアメリカの著名な作家の翻訳も数多く手がける、いわゆるその世界の「大物」である。その、重厚なイメージを吹き飛ばしてしまうような軽妙な関西弁でのやりとり。ついついその先を読み進めたくなるのである。しかしながらこの本、軽妙な笑いをさそうエピソード満載であるが、恩師であるH教授へのレクイエムとして書かれたもののような気がするのは私だけであろうか。
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