『SF雑誌の歴史―パルプマガジンの饗宴』

アシュリー,マイク【著】;牧真司【訳】東京創元社
bk1/amazon.co.jp
SF雑誌は、良質なサイエンス・フィクションの聖域であり、新しい才能の登龍門としての役割を果たし続けている。ごく少数の例外は別にして、一流作家の誰しもがSF雑誌でデビューを果たし、たいていはその後も寄稿を続けている。彼らの最良の短篇は今日では単行本に収録されているが、その大多数はもともと雑誌に発表されたものだし、長篇でも雑誌連載が初出ということがある。何百という雑誌が現れては消えていった。本書はこうした雑誌の物語であり、その物語はまた、SFの歴史でもある。この巻では、まだ幼いこのジャンルが、第一次世界大戦後の科学技術恐怖症の時代に生まれ、気宇壮大な30年代を経て、原子力の影がかかる40年代、50年代に到達するまでが語られる。本書は、SF雑誌に関する通史として、最新の内容をめざして書かれた。
第1部 開闢前(イギリスおよびヨーロッパ;アメリカの曙 ほか);第2部 驚異の実験(サイエンティフィクション;アメージング・ストーリーズ ほか);第3部 黄金期へむかって(ヒーローと悪漢;ワンダーよ、もう一度 ほか);第4部 黄金期(増殖;この時代の巨人たち ほか);第5部 原子の解放(戦時中;シェイヴァー・ミステリ ほか)