『声、意味ではなく―わたしの翻訳論』

和田忠彦【著】平凡社
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エーコ、タブッキ、カルヴィーノなどの名訳で知られるイタリア文学者が、須賀敦子リービ英雄を含め国内外のあまたの作家を相手に、ことばの力や読むという行為について、翻訳の現場でつづった珠玉の読書エッセイ。
読むこと、訳すこと;むこうにみえるもの―京都発世界文学;まなざしの手ざわり―古井由吉とダニロキシュ;浸透する時間―キシュと山崎佳代子;“不在”の距離―須賀敦子とナタリアギンズブルグ;旅する記憶―ボルヘスエーコそして『見えない都市』;国境の越え方―リービ英雄の“アイデンティティーズ”;町から街へ―“しんじゅく”とサンジミニアーノ;うごく橋―カルヴィーノ、オースター、多和田葉子;街がすべりだす―『光とゼラチンのライプチッヒ』;手さぐりの境線―小池昌代と“不意のドア”;大八街区―ブダペストの記憶;盗まれた物語―ポストモダンと古典;肖像のゆくえ―ダーチャマライーニの日本;紙の幻想―吉田健一セルバンテスネアンデルタールと小説―カルヴィーノとS.J.グールド;汽笛のゆくえ―内田百〓とピランデッロ;声、意味ではなく―短篇「耳をすます王」;眼に惑う―矢川澄子パロマー;待つ、そして―『兔とよばれた女』のブッツァーティ;日本語の内へ―アーサービナードとエクソフォニー