『二十世紀イリュストレ大全〈1〉ロマンティックドリーム―少女まんがのルーツをもとめて』

荒俣宏編;長崎出版
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フランス二十世紀前半のロマンティックな挿絵は、それまでどの国にもなかった斬新で愛らしい女性像を描いている。描かれた女性たちのライフスタイルとファッションは挿絵を通じてアメリカのハリウッド映画やミュージックホールのレヴューに影響し、さらに大正期の日本にも伝わって、竹久夢二らの抒情画や宝塚少女歌劇団に受容された。太平洋戦争後、そこからまた現代少女まんがの自由で豪華な乙女イメージが日本に誕生した。本書は、まさに日本少女まんがのルーツともいうべきフランス・ガール・アートを集大成した、日本で最初のイラストレーション大全である。
マリオラボチェッタの世界;ガーダヴェーナ:両性具有の魔力;幻想とエロティシズムの画家ジョルジュバルビエ;お転婆パリジエンヌを愛したレオネック;エルアールの代表作『エプタメロン』;シュザンヌムニエも女流の閨房画家;デザイン感覚に優れたロランジ;イタリアの伊達男、ブルネレスキのアート;神話世界を現代に:キューン=レニエ;ピンナップの発明者キルヒナー