『お尻とその穴の文化史』

ゴルダン,ジャン;マルティ,オリヴィエ【著】;藤田真利子【訳】作品社
bk1/amazon.co.jp】2,800
本書は、偏見と差別にさらされてきたお尻とその穴について、医学的・文化史的に考察した世界でも初めての書である。この肉体の最も秘められた部位は、古代エジプトに専門医がいたほど医学的に注目されてきたばかりでなく、文化的にも重要な意味を与えられてきた。その快楽は「ソドミー」と呼ばれキリスト教の最大のタブーとなったが、古代ギリシャ・インド・中国では性的快楽の器官として愛され、また中世・近世においても、サド侯爵といった特別な反逆者だけでなく、浣腸を愛したフランスの貴婦人たち、芸術家や英国の紳士たちにも、密かに愛されつづけたのである。古代エジプトの「アヌスの羊飼い」から、ルイ十四世の切れ痔、そしてマリリン・モンローの浣腸まで、隠されてきたもう一つの肉体の歴史が、初めて明らかにされる。
第1部 アヌスとは、いかなるものか?;第2部 アヌスの機能とそれをめぐる歴史―便秘と下痢の物語;第3部 アナル・セックスの歴史;第4部 芸術とアヌス―お尻とその穴に魅せられた人々;第5部 すこやかなるアヌス;第6部 すこやかならざるアヌス