『『ドン・キホーテ』を読む』

京都外国語大学イスパニア語学科【編】行路社(大津)
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本書は二部から成っている。第一部のシンポジウム「日本人と『ドン・キホーテ』」では、日本における『ドン・キホーテ』に関する五つのテーマについて、四人のパネリストにそれぞれの立場から縦横に語っていただいた。これほど興味深いドン・キホーテ論は日本史上かつてなかったのではないだろうか。第二部では、日本を代表する一〇名の『ドン・キホーテ』研究者にご登場願って、『ドン・キホーテ』の読み方をご披露いただいた。これらの論文もまたいずれ劣らぬ優れたドン・キホーテ論であり、ここに上梓する本書は「『ドン・キホーテ』出版四〇〇年」を祝うにふさわしい出版である。
第1部 日本人と『ドン・キホーテ』―シンポジウム「日本人と『ドン・キホーテ』」;第2部 『ドン・キホーテ』を読む(『ドン・キホーテ』における文学と生の葛藤;ドン・キホーテの狂気とサンチョ・パンサの分別;日本人が『ドン・キホーテ』を読むということ;『ドン・キホーテ』最初の邦訳と渡辺修次郎;『ドン・キホーテ続編』二十三章・モンテシーノスの洞穴のエピソードについて;『ドン・キホーテ』(前篇)における「狂気」を読む;サンチョのドン・キホーテ化;セルバンテス・マジックのタネ明かし―『ドン・キホーテ』前篇のテキストをめぐって;『ドン・キホーテ』の内面世界―マドリガル(『ドン・キホーテ』後篇第六八章);セルバンテスとアルジェール体験―『ドン・キホーテ』前篇(三九〜四一章)「捕虜の話」を中心として)