『白の鳥と黒の鳥』

いしいしんじ【著】角川書店
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耳を澄ませば、すぐ近くに聞こえてくる、小鳥たちのさえずり、住人たちの笑いと息づかい。世界のはしっこで生きぬく幸福な物語。物語の魔法つかい、いしいしんじの愛しき短篇小説集。
肉屋おうむ;しろねずみ;せみ子の黄色い傘;カラタチとブルーベル;薄い金髪のジェーン;オールド・ブラック・フォスター;赤と青の双子;魔法のリコーダー;紫の化粧;紅葉狩り顛末;すげ替えられた顔色;ボウリングピンの立つ所;緑春;わたしの千食一夜―第百二十三回;白黒の鳥の声;おっとせいを飼う;薄桃色の猫たち;透明に関する四つの小話;太ったひとばかりが住んでいる村

『古書の聖地』

シリーズ愛書・探書・蔵書 ポール・コリンズ【著】;中尾真理【訳】晶文社
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英国はウェールズの小さな田舎町ヘイ・オン・ワイ。住民1500人。古本屋40軒。数百万冊の本で埋めつくされた「愛書家の聖地」。古書マニアで、自ら第一作を書き上げたばかりのアメリカの若い作家が、サンフランシスコを離れ、妻と一歳半の息子とともにこの地に移り住んだ。ほこりまみれの書棚で珠玉の奇書を見つける至福。史上初めて古書で町を再生させた「本の国の王様」リチャード・ブースの素顔。古城を中心に築百年以上の建物しかない不思議な石造りの町並み…。本っていったい何だろう。読者の手を放れたあともなお生きつづける本とは?世界中から愉快な人々が集う古書の楽園での日々をユーモアたっぷりに綴る。
旅が始まり、本が始まる;饒舌なタクシー運転手の旅行案内語に頼る;疲れる汽車の旅をはしょって、ウェールズの田舎に降り立つ;わが家と呼べるところを捜す;本を漁りに行く;テレビの前に根をはやす;謹んで哀悼の意を表します;ただいま、考え中;エルモア・ハッバードの機知と知恵が明らかになる;人生にほっといてとお願いする;本を表紙で判断する;誰も読まないカスみたいな本について;傷ついた過去を眺める;最後の希望、「六ペンスの家」;主を見る;いいタイトルを思いつかない
ポール・コリンズ:アメリカの作家。古書・奇書をこよなく愛す。19世紀のアメリカ文学を研究。ニューヨーク市民大学などで講師をつとめ、マックスィーニー書店で「コリンズ・ライブラリー」を編集。『ニューサイエンティスト』『ヴィレッジボイス』など諸紙誌で精力的に執筆活動をしている