『ハイドゥナン』
ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション 藤崎慎吾【著】早川書房
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西暦2032年。未曾有の地殻変動によって、南西諸島に沈没の危機が迫っていた。地球科学者・大森拓哉の警告により政府特別機関が設立されるが、その目的は領海=海底資源喪失を見越しての既得権確保にあった。政府の対応に憤る植物生態学者・南方洋司、地質学者・菅原秀明ら6人の科学者は、独自の「ISEIC理論」によって地殻変動を食い止めるべく、極秘プロジェクトを開始する。いっぽう共感覚をもつ青年・伊波岳志は、南方らに同行して訪れた与那国島で、巫女的存在であるムヌチの後間柚と出会う。「琉球の根を掘り起こせ」なる神の声を聞いたという彼女は、大地の怒りを鎮めるため、“14番目の御嶽”を探してくれるよう岳志に依頼するのだが…日本SF史上最高の科学小説、ついに刊行。
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与那国島の伊波岳志は、海中の遺跡ポイントが“14番目の御獄”であることを突き止めた。時を同じくして、水深6000メートルの南西諸島海溝では、深海調査船“しんかいFD”のパイロット・武田洋平が巨大な人工構造物を発見していた。その符合を検証する南方洋司ら科学者の目的は、地殻変動を食い止める唯一の鍵“SEIC(圏間基層情報雲)理論”の実践にあった。しかし、事態はすでに切迫していた。遺跡ポイントへの祈りを通して地中世界を垣間見た後間柚は、「大地の炎が琉球を焼き尽くす」という神の予言を聞く。いっぽう、海底資源を狙う中国の干渉が激化するなか、ついに海底火山が噴火、破滅へのカウントダウンが開始される…構想5年、執筆3年、2000枚の超大作、堂々完結。
粗筋だけを読むと、びっくりするほど『風車祭』にそっくりだ!と言ってみる。粗筋だけはね。
『「コマ」から「フィルム」へ―マンガとマンガ映画』
秋田孝宏【著】NTT出版
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「マンガ」はいかにして「アニメーション」「映画」となったのか?2つのメディアの関係と差異を解き明かす初の本格的研究書。
第1章 アメリカのマンガ映画産業の優位性;第2章 十九世紀の物語マンガ;第3章 アメリカの初期映画文化;第4章 初期の物語マンガとマンガ映画の成立;第5章 日本の初期マンガ映画;第6章 マンガ映画とマンガの理論;第7章 一コマ撮り;第8章 日本アニメのスタート;第9章 マンガと映画のメディア比較;第10章 マンガの時間構造;第11章 日本アニメとは何か